英オックスフォードで学ぶEF生
円安が続く中、留学に二の足を踏む若者が増えている。 留学奨学金プラットフォームを運営する「RyuLog」と海外大生就活支援「One Terrace」の共同調査(2025年4月3日〜5月11日)によると、日本人学生の84%が海外留学のハードルとして「経済的理由(費用が高すぎる)」を挙げていることがわかった。
円安進行や物価高で、近年の留学費用は高騰している。海外の大学や語学学校の学費・生活費はドルやユーロ建てが多く、2021年あたりに比べ、実質2〜3割の値上がりとなっている。
円安を「損」で終わらせない――EFが語る逆転の留学戦略
円安で留学費用の負担感が増す一方、世界100カ国以上に語学教育ネットワークを持つ「EFエデュケーション・ファースト(EF)」は、「近視眼的な視点で留学を捉えず、逆に外貨を稼ぐ人材育成の好機と捉えるべき」と提言する。
海外留学EF日本支社の社長、伊東グロニング七菜は「例えば、米国で年収8万ドルを得られるキャリアを築ければ、1ドル110円水準だった2021年には円換算で年収880万円だったのに対し、現在の140円水準に円安が進めば同じ8万ドルが円換算で1120万円。為替変動そのものを味方に付けることができます。つまり、留学は消費ではなく投資であり、将来の収入の“通貨構成”を変えることに直結します。日本円に依存せず、ドルやユーロなど、より安定性や成長性のある通貨で報酬を得る可能性を持てるという意味で、留学は“通貨リスク分散型の人的資本投資”と捉えることもできるのです」と強調する。
語学だけでなく、現地就労につなげる“キャリア型留学”
伊東がこう断言する背景には、留学を“職業キャリア”につなげる「大学進学準備プログラム」がある。EFが提供する同プログラムは、海外の大学へ進学するために必要な語学力とアカデミックなスキルを習得できる内容で、卒業生には、世界250以上あるEFの提携大学への進学を保証している。過去の卒業生は英オックスフォード大学やロンドン大学、米ニューヨーク大学(NYU)など世界をリードする一流校への合格者もいる。
プログラムの渡航先としてはシドニーやオックスフォード、バンクーバー、シアトル、ミュンヘン、ボストン、マンチェスターなど7カ国10カ所を用意している。
プログラムの渡航先としてはシドニーやオックスフォード、バンクーバー、シアトル、ミュンヘン、ボストン、マンチェスターなど7カ国10カ所を用意している。
渡航先となる米ニューヨーク(左)と豪シドニー
実際に、同プログラムで留学の後、イギリスの大学へ進学、現地機関(英・ロンドン)に就職したH.Mさん(28)は以下のようにコメントしている。
「高校までは英語に自信がなく、海外なんて自分には無理だと思っていた。でも、EFの留学で言語だけでなく“文化の違いを受け入れる力”を学べたことが、自分の世界を広げてくれた」 「社内公用語が英語なので、EF時代に体験した“多様な価値観の中で会話する力”が、今も仕事の土台になっている。当時の留学費用は確かに大きかったが、あの時の決断が将来への最大の投資になったと実感している」と話している。
“日本円だけ”で生きていく時代の終わり
留学を通じた日本のグローバル人材の育成について、伊東はこう強調する。
「将来、日本で働くかもしれません。でも、“海外でも稼げる選択肢”を身につけておけば、進路はもっと自由になります。」 海外留学のブランドとして、欧州地域ではボルボ、IKEAと並ぶ認知度を確立する海外留学EF。“攻めの留学”を支える教育インフラとして、今後は日本での認知拡大を目指す。